2015年12月時点。コンテンツマーケティング業界のおさらい
写真はうちのみーこ。
いまブームになりつつあるコンテンツマーケティングと取り巻く業界を整理して紹介します。企業のマーケティング担当者や、サイト運営者、コンテンツマーケティング関連のビジネスを展開している・または考えている方向けの情報です。
1.ネイティブアド(ネイティブ広告)
コンテンツマーケティングと相性が良いとされているのがネイティブ広告です。ネイティブ広告の言葉の意味はとても広くリスティング広告まで含まれてきます。
媒体や出稿形式が広告形態によって異なりますが、コンテンツへの誘導という点は共通しています。
以下メジャーなネイティブ広告を提供している企業とそのサービスです。
- OutBrain
- Yahooコンテンツディスカバリー(Taboolaと提携しての提供)
ネイティブ広告とは何か?その形式?については以下記事が分かり易くまとまっていたので紹介します。
コンテンツマーケティング業界図として、よく目にするマップ図は以下URLで公開されています。
http://www.lumapartners.com/lumascapes/content-marketing-native-lumascape/
コンテンツマーケティング以外のウェブ業界図に関しては以下URLで公開されていますので興味のある方はご参照ください。
2.ソーシャルメディア
これは説明するまでも有りませんね。何故ソーシャルメディアがコンテンツマーケティングで重要なのかと言いますと「コンテンツ流通チャネル」として非常に優れているからです。
メジャーなソーシャルメディアを列挙します。
- YouTube
- Twitterのセルフサービス式のTwitter広告※ 2015/11月中旬に開始。それまでは代理店経由でした。
- FacebookのFacebook広告
他にはInstagramも2015年10月から日本国内で広告を出せるようになりました。Line@もここに含まれます。
多くの場合はソーシャルメディアに配信して終わり。運よく注目を集めれば良いなと言った運用が行われていますが、キャンペーンを行う場合はコンテンツ配信コストがコンテンツ制作予算以上になる事も少なくありません。
広告は多くの人の目に触れるほど費用対効果が良くなります。そのためエンゲージメント(Facebookいいね!やTwitterのハートなどユーザーのアクション)によって露出効果が広がるソーシャルメディアは重要です。コントール外で副次的な効果が期待できます。
動画を使ったコンテンツマーケティングを行う場合にほぼ確実に使われるのがYouTubeチャンネルです。ショートムービーの再生数はFacebookが1日あたり8億回再生とずば抜けて多いです(この数字に違和感を持たれた方はこちらの解説記事が参考になります)。
3.コンテンツベンダー
コンテンツマーケティングをする上で必須なコンテンツを作る・提供する・企画するのがコンテンツベンダーとなる制作会社や広告代理店です。イメージの付きやすいテレビやウェブの制作会社から、紙媒体が主体となっている出版会社まで含まれます。
クラウドワークスやランサーズのようなクラウドソーシングサービスを利用する事もできますが、あくまでもプラットフォームが提供されているだけで、コンテンツの品質担保やクレーム対応や保証については当事者間で解決する話になります。この点を理解した上で利用して下さい。
海外だとNewsCredやvisual.ly等のコンテンツプラットフォームがあります。国内ではこれと言ったコンテンツプラットフォームが存在していないように見えます。
4.マーケティングオートメーション(長いので略称MA)
デジタルマーケティングをする上で必須になりつつあるのがマーケティングオートメーションを行うMAツールです。DMP(データマネージドプラットフォーム)やCRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)とマーケティングを直接数字で繋げる役割を果たしています。
メジャーなMAツールを以下に列挙します。
- マーケティングオートメーション | マルケト
- HubSpot | オールインワンのインバウンドマーケティングソフトウェア
- 統合デジタルマーケティングプラットフォーム | Adobe Marketing Cloud
- Marketing Cloud - One to Oneカスタマージャーニープラットフォーム - Salesforce.com 日本
ネイティブ広告も技術競争・開発競争が激しいですが、同じぐらい買収額・開発費が大きく激しい印象を受けるのがこの分野です。
コンテンツマーケティングを行うにあたりざっくりと以下の4ステップを踏むのですが、この1と4の精度を大きく高めるのがMAツールです。
- ターゲットを定める(ターゲティング)
- コンテンツを作る
- コンテンツを配信する
- 効果測定する
5.コンテンツマーケティングって何?
現在「コンテンツを使ってユーザーに何らかの行動を起こさせるインバンドなマーケティング手法および戦略」をコンテンツマーケティングと呼んでいます。
そのためコンテンツを加工せずそのままマーケティングに利用できる訳ではなく「コンテンツを見たユーザーに行動を起こさせるような仕組み」が必要です。短く言うと「ユーザーの行動をデザインしたコンテンツ」を含めたのがコンテンツマーケティングです。これはコミュニケーションデザインと呼ぶ方が一般的かも知れません。
ユーザーの行動結果はエンゲージメントとして表に出てきます。メール開封率やソーシャルメディアでのリーチ数です。そのためコンテンツマーケティングではエンゲージメントが特に重要視されます。
6.コンテンツマーケティングの今後と関連ビジネス
1~4まで上げた以外にコンテンツマーケティング関連で行われているビジネスには以下のようなものがあります。
- 企画作成・戦略立案(コンサルティング含む)
- 教育・トレーニング
- コンテンツ作成支援(テキストコンテンツ・動画コンテンツ)
- エンゲージメント測定ツール
- 有料素材販売(ストックフォト等)
6.1.コンテンツ盗用流用の問題
コンテンツマーケティングが抱える問題の1つにコンテンツが盗用・流用される点があります。そのため著作権管理や保護に力を入れる企業が多くなると見られます。
クリエイティブ業務に関わる皆さまへ 有料写真、インターネット上の無断使用で著作権侵害が認められ勝訴 - ニュース - 株式会社アマナで見られるように無断使用された企業側の主張が認められています。どこも盗用流用しているしうちは大丈夫、と思わない方が良いでしょう。アマナイメージズ勝訴の判例詳細。
6.3.インテグレーション領域
インバウンドマーケティングとデジタルマーケティングが統合されたマーケティング手法として、コンテンツマーケティングが成長していく事が考えられます。そのため各種媒体や自社メディアや各種CRM・DMP・アクセス解析・マーケティングオートメーションとのインテグレーション領域での需要増が見込まれます。
6.4.汎用的な内容よりも個性
オウンドメディアでは個性が重要視されるためタレントへの需要が高まります。汎用化された没個性や、他からの流用・盗用(他メディアで掲載されているのリライトしただけとか)への風当たりが強くなりますのでオリジナルコンテンツを作れて、それが個性として認められるタレントの人気が高まります。ぐるなびの「ペンと箸」やオモコロのヨッピーさんらがこれに当たります。
7.コンテンツマーケティングを学ぶ情報源
最近最大手の電通報でコンテンツマーケティングの記事を良く目にするようになりました。
エピック・コンテンツマーケティングという本の翻訳もここから出ています。この前身となる本、戦略的コンテンツマーケティングは監訳インフォバーンです。
コンテンツマーケティングを学ぶ・理解するのに上記2冊がおススメです。
まとめ
今の所ですがコンテンツマーケティングに詳しいのは今までコンテンツを作り続けてきているTVや新聞など大手メディアさんたちで、コンテンツマーケティングで使われるコンテンツ制作に強い・詳しいのはその系列の仕事今までしてきている制作会社さんや出版社さんたちという印象です。
ウェブマーケティングの一環としてコンテンツマーケティングが流行っていますが本来はウェブ以外も含めたオムニチャネルで展開して効果測定をするのが筋になります。そのためもしマーケティングの最終的な受け皿の役割をウェブサイトに求めているようであれば、それは間違っているので戦略を考え直した方が良いです。
さいごに
質問などありましたらコメント欄に書いてもらうか、直接質問やメッセージを送りたい方はTwitter宛てに連絡をもらえればと思います。